自宅の庭で子どもが遊ぶ様子を見ることは気持ちがとても安らぐものです。自宅の庭に砂場があったとしたらどうでしょう。子どもたちはさらに楽しく遊んで、見守る側もより幸せな気持ちになれそうですよね。今回は、そんな大人も子どもも幸せになれる砂場を、自宅の庭に作る方法をご紹介します。
自宅に砂場があるメリット
自宅の庭に砂場があると、子どもと大人、どちらにもメリットがあります。
想像力と集中力を高める
形のない砂の状態からいろいろなものを作り上げていく砂場遊びは、子どもの想像力を育むだけでなく集中力を高める知育の場でもあります。また、スコップやバケツなど道具を上手に使えるようになる練習にもなります。
目の届く範囲で遊ばせられる
自宅の庭に砂場があれば、自宅にいながら目の届く範囲で子どもに砂遊びをさせてあげられます。家事や趣味の時間を取りながら、子どもの大好きな砂遊びも同時進行できるのです。
衛生面で安心
公園の砂場は管理されている場合でも、毎日手入れがされているようなところは少ないのが実状です。動物の糞があったり、雑菌の温床となっていたりする可能性も考えられますが、公共のものに手を加えることはなかなかできません。その点自宅の砂場なら、自分でしっかり管理できるため衛生的に保つことができ、安心です。
ほかの子どもとのトラブルを避けられる
これも砂場遊びに多いトラブルのひとつです。公園遊びは社会性を育む場ともいわれますが、反対に社会性や常識を無視した子どもと一緒になってしまった場合はどうすることもできません。一方的に被害を受けるケースもあります。自宅の砂場ならこういったトラブルも避けることができます。
子どもにとっても自慢の家に
「砂場が自分のおうちにある」これは子どもにとっても誇らしく、自分のおうちをますます好きになることでしょう。また、それをつくってくれたお父さんやお母さんのことも、きっと誇らしく思うはずです。
このように自宅の庭に砂場があることで、子どもの発達に効果があるだけでなく、大人も安心を手に入れることができるのです。
これぞ砂場!本格的な砂場の作り方
は、自宅の庭に砂場を作るとしたらどのような方法があるでしょうか。公園や幼稚園・保育園にあるような「これぞ砂場」という砂場をDIYで作ってみましょう。次のような手順で本格的な砂場を作ることができます。
1. 庭の中で砂場を作る予定地を決める
自宅の庭は家族みんなのものです。家族の中でしっかり相談して、砂場に適した場所を決めましょう。室内からも目が届くような場所が理想的です。また、砂場以外の遊びにも庭を使えるよう、スペースの配置を考えましょう。
2. 杭と紐で目印を作る
予定地が決まったら、実際に砂場を作る大きさをイメージして寸法を決め、四方に杭を立て紐で囲みます。以降はこの目印に合わせて作業を進めていきます。
3. 木材を調達して防腐処理をする
砂場の枠となる木材を調達します。ホームセンターでも手に入れやすいのはツーバイフォー材です。エクステリアやガーデン用として販売されている枕木を使うという手もあります。準備した木材には、しっかりと防腐塗料を塗ります。枠を組む前に防腐塗料を塗るのは、組んだときに合わせる部分もしっかり防腐処理をするためです。小口までしっかり塗りましょう。塗料は子どものために匂いが少ないものを選んであげてください。水性のものは環境に配慮されたものが多いのでおすすめです。防腐剤塗布済みのツーバイフォー材や枕木を使う場合には塗装不要です。
4. 木枠を作る
決めた寸法に合わせて木枠を作ります。本格的な木組みをしなくても、ステーや補強金具で固定しても問題ありません。ツーバイフォー材を使う場合は、2本ずつを抱き合わせてビス固定するだけでも四角い枠を作成可能です。
5. 予定地を掘る
木枠の高さに対し1/2~2/3ほどが埋まる深さまで、目印の内側を掘ります。このときなるべく水平になるのが理想です。たまに木枠を置いてみて、掘り足りないところを削るようにしていくと比較的楽に合わせることができます。
6. 木枠を埋める
掘った場所に木枠を沈め、周りを埋めます。できれば水平器を使いながら、水平に設置できれば理想的です。
7. 砂を入れる部分を掘る
木枠の内側、砂を入れる部分を掘ります。木枠の高さより多少深めに掘ったほうが、ふかふかの砂場にすることができます。粘土質の土地の場合は、水はけをよくするため、一本線や十字にさらに深い溝を掘り、水の逃げ道を作っておきましょう。
8. 砂を敷き詰める
ここまでくればゴールは間近です。木枠のフチより少し低いあたりまで砂を敷き詰めれば、自宅の庭の本格砂場が完成です。
9. フタを作る
砂場としては完成しましたが、余力があれば砂場のフタも作っておきましょう。フタを作る場合は、通気性を持たせた作りにすると砂場に湿気がこもらず衛生的です。塩ビ波板に重しをつけたものでも立派なフタになります。
ひと工夫加えておもしろ砂場
次にご紹介するのは、少し変わったおもしろ砂場です。
プラスチック池に砂を入れて
庭に池を作るために使うプラスチック池は、中に砂を入れるとそのまま砂場になります。プラスチック池はいろいろな形状のものがあり、「不思議な形の砂池」を作ることができます。
大きな古タイヤに砂を入れて
重機や大型トラックで使われたフルタイヤを起き、その中に砂を入れて砂場にすることができます。
木製プランターに砂を入れて
大きな木製プランターも、砂場として活用できます。アンティークな雰囲気の一風変わった砂場として、周りのエクステリアと調和を取るのもいいかもしれません。
手こぎボートに砂を入れて
手に入れるチャンスがあれば、古い手こぎボートはおしゃれな砂場になります。船でできた砂場は子どもが大喜びすること間違いなしです。
ほかにもアイディア次第で、オリジナルの砂場を作ることができます。我が家だけのおもしろ砂場を考えてみるのはいかがでしょう。
砂場維持の注意点
自宅の庭に砂場を作ったとき、そこで遊ぶ子どものためにも維持に関して気をつけたいポイントがあります。
抗菌砂を使う
衛生的な維持に気を使っても、最初に投入する砂が雑菌だらけでは意味がありません。砂場に入れる砂は抗菌砂を使いましょう。
フタをできるようにする
動物が侵入したり、空から鳥が糞をしたりすることも考えられます。特に猫にとって砂場は最適なトイレになってしまいます。また、落ち葉が積もると、ここから腐朽菌が繁殖しほかの細菌も増殖します。落ち葉を防ぐ意味でも、遊び終わった後はなるべくフタをするようにしましょう。
日陰になる工夫を
子どもは夢中になると、暑さも忘れて遊びに集中します。熱中症を防ぐため、砂場が日陰になるような工夫が必要です。タープを張ったりパラソル付きのテーブルを設置したりするのもいいかもしれません。
植物による日陰づくりはハチ・枯れ葉による菌繁殖の危険
日陰を作る際、砂場の上に藤棚を設置してツル植物を育てるという手段もあります。しかしこれは、あまりおすすめできる方法ではありません。落ち葉による雑菌繁殖の可能性と、ハチが集まってしまう危険があるからです。
定期的に掘り返して殺菌
砂はそのままにしておくと、下層は湿ったままとなり微生物や虫、雑菌の温床になります。定期的に掘り返して風と太陽を当て、殺菌するようにしましょう。
自宅の砂場は笑顔のもと
砂遊びは子どもの想像力・集中力を育み、たくさんの笑顔もそこから生まれます。夢中になって遊んでいる姿は、砂場を作った大人も幸せな気持ちになるでしょう。自宅の庭に、すてきな砂場を作ってみてはいかがでしょうか。