コラム

子どもといっしょに自然を学ぼう!ビオトープのすすめ

自然と触れ合う機会の少ない子どもたちにも自然環境の大切さを学ばせてあげたいもの。最近では自然との共生を目指したビオトープを取り入れた街づくりをする試みが広がっています。わが家の庭にも「プチ・ビオトープ」を作って子どもと一緒に自然について学んでいきませんか?

ビオトープとは?

ビオトープは、ドイツ語で生命を意味する biosと空間を意味するtoposの2つの単語から造られた言葉です。自然な状態でたくさんの動植物が生息する環境・空間を意味します。

そこには植物があり、虫や小魚といった小さな生き物やそれを捕食する大きな生物が共存して生息しています。これに加え、水や大気、土壌をも含めた空間がビオトープなのです。

■日本のビオトープ

ビオトープはとても広い意味がありますが、日本では、水辺の環境や、それを再現したものという意味で使用することが一般的です。自然の水草や水生植物とプランクトン、小さな魚、昆虫の幼虫、昆虫などが、食物連鎖によってつながり、生態系を維持している状態や場所をビオトープと呼ぶことが多いようです。最近ではこうしたビオトープを教育の一環として小中学校内に作ったり、公園内に設置したりする動きも増えてきています。

ビオトープの作り方

自宅にビオトープを作れば、子どもとの自然観察や教育の一環としたり、水辺のガーデニングをとして家庭で楽しんだりできるでしょう。自宅でのビオトープの作り方をご紹介します。

1.水場を作る

ビオトープで欠かせないのが水場。本格的な池はスペースの確保や費用の面から難しいかもしれません。そんなときは睡蓮鉢などの水鉢を使えば、手軽に始めることができますよ。水鉢はいろいろな素材や形のものがあるので、庭の雰囲気や好みに合ったものを選びましょう。

2.植物を植える

水鉢が決まったら、水草などを植えていきます。植え付けには2種類の方法があります。
1つは、水鉢にそのまま土を入れて植物を植える方法。植栽スペースを大きく取れ、全面に土が見えるので、自然な感じにしたい場合はおすすめです。
もうひとつは、適当な大きさの別の鉢に植え付けを行い、それを水鉢に入れる方法。こちらは植え替えや水換え、掃除などの管理が楽で、植物が広がらないので初期のデザインを維持しやすいという利点があります。
作りたい雰囲気やデザインによって植え付け方法を選んでみてください。

3.水鉢に魚を泳がせる

水鉢が完成したら魚を入れましょう。メダカや金魚など飼育が簡単で管理の手間がかからない種類がおすすめです。子どもにお世話を任せれば、生き物の命を預かるという責任感を養うことにもつながります。

*水鉢はどこに設置する?

水鉢の設置場所は植える植物によって異なります。日当たりを好む植物の場合には日当たりがよい場所に、半日陰を好むものは半日陰~日陰になる場所に多くようにしましょう。雨がかかる場所でも問題ありません!

子どもといっしょに観察日記を作ろう!

ビオトープでは、めずらしい水の中の生態系を観察することができます。例えば、蚊の幼虫のボウフラが発生し、メダカがそれを食べていたり、トンボが卵を産めばヤゴが育つ様子などを見たりすることができます。外敵によってメダカが食べられてしまうことも。小さな水の世界を通していろいろなことが発見できるはずです。子どもと一緒に観察日記を作ったり、SNSで発信して仲間を作ったりと、楽しみながら環境について学ぶことができます。

ビオトープで子どもと一緒に自然を学ぶチャンス

自然の大切さを学ぶには、自然に触れることが一番です。ビオトープを作って、めだかを観察したり、水草を育てたり、日々の生活のなかで子どもたちが自然に接することができる環境を作るのはいかがでしょうか。環境保護にも役立つビオトープ、家族みんなで地球環境に貢献しましょう!

花を観察したり、昆虫を観察したり、直接自然に触れて観察でき子供心を刺激するネイチャートイ。