コラム

子どもと一緒に庭の雑草観察

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道ばたや庭に生える雑草は、植物の栄養を奪って枯らせたり見た目が悪くなったりするため、普段は邪魔もの扱いされています。こんな雑草にもいろいろな種類があり、生き残るためにさまざまな知恵をこらしているのをご存知でしょうか。知れば知るほど奥の深い雑草について子どもと一緒に学んでみませんか?

身近にある雑草を観察しよう

道ばたや線路沿い、公園など、場所によってさまざまな種類の雑草を見ることができます。雑草は環境に合わせて進化していることから、このような住み分けが自然にできたと考えられます。それでは、それぞれの場所ごとに代表的な雑草を挙げてみましょう。

  • 道ばた

春の七草のひとつで「ごぎょう」とも呼ばれるハハコグサは、薄黄色の花を咲かせ葉に白い毛がついています。また、ペンペン草という別名を持つナズナ、スミレ、ピンクの花を咲かせるホトケノザなどが挙げられます。

  • 線路沿い

比較的背の高い雑草が生える場所です。ヒメムカシヨモギやセイバンモロコシ、メリケンカルカヤ、セイタカアワダチソウなどが挙げられます。

  • 公園・庭

小さいエンドウ豆ともいえるカラスノエンドウ、シロツメクサ、小判のような実をたくさんつけるコバンソウ、ピンクの花をつけるイヌタデ、つぶすと強烈なにおいのする小さな白と赤の花をつけるヘクソカズラなどが見られます。名前だけではピンとこないかもしれませんが、写真を見れば見覚えのあるものばかりだと思います。

観察日記をつけてみよう

まずは、子どもと一緒に道ばたや公園などで見かけた雑草のイラストをノートに色鉛筆で描いておきます。そして、それをもとに植物辞典などで名前を調べてみましょう。
名前と一緒に別名や原産地、生息時期、花ことばなどもノートへ記録すると、より楽しめること間違いありません。
雑草は過酷な自然環境のなかで生き残っていくために周りの環境に合わせて少しずつ進化します。次の世代は、寒くても暑くても乾燥した土地でも湿った土地でも生きていけるような多様性を持たせた種子を残していくという柔軟な性質を秘めているのです。
過酷ななかで生き残ろうとする雑草の姿を、子どもに伝えてあげるのもいいですね。

雑草を知って子どもの自然観を養う

どこにでも生えている雑草は普段は気にも留めない存在ですが、名前や特徴を知ることでより身近に感じられるようになります。例えば、ツクシの葉にあたるスギナ。この植物の祖先は高さ数十メートルにも生長し、森のように茂っていました。現代のスギナは数十センチの高さしかありませんが、地獄まで届くといわれるほど深く根を張ります。
昼寝をする植物のクズは、昼寝の最中に葉の裏側が見えるので、「うらみ草」とも呼ばれます。また、繁殖力の強いカタバミは子孫繁栄を望む武将に好まれ、家紋に使われるようになりました。

このような逸話を併せて話せば、子どもはより一層雑草に親しみを持つことでしょう。

雑草を知ると道端の草を見るだけで楽しくなる

身近なところにある雑草の知識を深めると、日常の散歩や通学がもっと楽しくなるはずです。小さな喜びを見つけるために、また、子どもが自然に触れる機会を増やすために、もっと雑草を観察してみませんか?